リハビリのイメージは…
「つらいけど我慢して頑張らないといけないもの」なんていうイメージでしょうか。
病院に入院中は退院に向け、自宅に帰るために頑張ると思います。
では退院後はどうでしょう。
退院後は入院患者から「生活者」に変わり、日々の生活が始まります。
生活には日常生活をはじめ、その人の役割や人との交流があるかもしれません。
入院中は毎日リハビリがあった。でも家に帰ると動かない日が増えた。ベッドで寝ている時間や座ってテレビを見る時間が増えた。人との交流も少なく活気がなくなる。
こうして退院直後は動けたのに徐々に動けなくなるようなケースを多く見てきました。
何が原因か。
入院中は「身体機能の回復を目指すリハビリが中心」であることだと思います。退院後は日常生活の動作に無理がなければ、身体機能はある程度維持できます。リハビリの専門家が関わることで心身機能の向上も見込める場合もあると思います。
住み慣れた環境でどう動くのか、必要な手すりや福祉用具を選び、トイレやお風呂の入り方、動線の確認を行うこと、外に出るためには玄関周りの環境整備や工夫も大切です。
ほんの一部ですがこのようなことを考えて行うのが作業療法士の仕事です。
また、「こころの動き」もよく観察しています。
本人の自立を妨げないよう、気付きや学びを促しながら関わります。
興味のあるものを一緒に探したり、頑張り過ぎてしまう時にはひと休みしたり、この先の不安に寄り添ったり、関わり方は常に変化しており一定ではありません。
そこがリハビリ専門職として関わる醍醐味だと思います。
困りごとが何なのか、それは達成可能なのか、どこまで目指せるのか、折り合いをつけながら一緒に考えていく。一方的なリハビリでは良い成果は得られないのではないでしょうか。
在宅のリハビリには「訪問リハビリ」や「訪問看護ステーションからのリハビリ」があります。ケアマネジャーやお住まいの地域包括支援センターへ相談してみてください。